10月22日で、衆議院議員として一年が経過しました。知事時代との比較をよく質問されますが、感覚的には官僚時代に戻った感じです。上がってくる話に最終責任を負い、査定も行わないといけないのが首長の役割なのに対して、議員は社会の課題に解決策を提示し、関係者の合意を作り、関係当局に働きかけも行って政策実現をするのが役割です。無論、行政のチェックという議会の役割もありますが。
議員の「務め」を果たすため、私(泉田裕彦)はこのたび、関係するステークホルダにより構成する「政策科学懇談会」をはじめました。21世紀に入り、情報通信技術は長足の進歩を遂げました。AIの技術は、人類史上稀にみる革新的変化をもたらす可能性があります。自動運転技術しかり、ゲノム創薬しかりです。
しかし、これらの技術はビックデータを必要とし、世界規模の競争が繰り広げられています。また、これらに限らず、現代は急速な気候変動が生じている可能性があります。加えて、新興国の急速な経済成長が国境を越えた地球規模の課題を生じさせています。社会制度がこれらの新しい環境に円滑に適合していかなければ、日本は世界から立ち遅れることになります。
国全体として取り組まないといけない課題が山積するなか、課題に対する対策をとりまとめていきたいと思います。その際、利害関係が錯綜する課題を取り扱いますので、本音の話ができるような環境の下で進め、提言にまとめていきたいと思います。以上のような前提で第一回会合を2018年10月19日(金曜日)に開催しました。活発な議論が展開されたことからも、このような機会は重要であると実感することができました。
当面、提言案とりまとめまで、非公表で議論を進めた後、社会に問題提起していきたいと思います。